社会的責任とEC:あれば良いもの? 必要不可欠なもの?

今日の世界では、ECにおいて社会的責任は必要不可欠です。消費者は以前にも増して賢くなり、環境に対する意識も高まっています。また、ソーシャルメディアの台頭により情報にすぐに繋がることができるようになったことで、悪事を働く者が隠れることは不可能になっています。少なくともずっと隠れることはできないでしょう。

ではECにおける社会的責任とはどのようなものでしょうか。社会的責任のあるEC事業者とは、社会的または環境的な要因を考慮しそれに対して責任を持つことを望んでいる事業者のことを指します。例えば、梱包材の削減や持続可能な包装、リサイクル可能な商品、チャリティー活動などが挙げられます。

この記事では、ECブランドがEC事業において社会的責任と持続可能性を高めるためにできるさまざまなことを探ります。

何かを支持するブランド

社会的責任は、ブランドが特定の活動を支持する時に生じます。その活動は一回限りのキャンペーンではなく、その企業のブランドアイデンティティに組み込まれます。

ECブランドが社会的責任を果たすと以下のような様々な利益をもたらします。

  • ブランド認知度の向上
  • 従業員の士気の向上
  • 潜在顧客を惹きつける
  • 顧客の維持

ECブランドには社会的責任を果たすことができる活動が数多くあります。では、どのようにして自社に適したものを選べばよいのでしょうか。

ブランドに信頼性がなければいけませんし、支持している活動がブランドイメージと合致している必要性があり、適当な活動を選ぶべきではありません。そして、ミッションはあなたのブランドバリューと一致し、顧客に共鳴するものでなければなりません。

さらに、社会的責任の遂行はそれがどのような方法であれ、ブランドの利益にプラスの影響を与えるものでなければなりません。

ECにおけるサステナビリティの事例

ECブランドが持続可能で環境に優しい事業運営を実施することは、今日の消費者にとって大きな魅力となります。調査対象の顧客の85%はサステナブルな梱包を必須と考えており、そのなかでも52%は支持するサステナブルなブランドを探しています。

サステナブルなオペレーションを社会貢献活動に選んだ場合、以下のものをECの世界に適用することが最も簡単であることがわかるでしょう。

  • 梱包
  • 二酸化炭素の排出量削減
  • 物流
  • 返品管理

しかし、上記のリストから買い物客がオンライン小売で最も懸念しているのは、梱包や発送、配送に伴う膨大な廃棄物であることがわかります。このような懸念に対して、貴社ブランドは効果的で社会的責任のある方法を数多く取ることができるのです。

特にサステナブルな包装については、以下の1つまたはすべてを社会的責任のミッションの一部として位置づけることができます。

  • リサイクル可能な梱包
  • 充填材の削減
  • プラスチック不使用
  • 堆肥可能な梱包
  • リユース可能な梱包

サステナビリティは、特に消費者にとって重要な市場においてお店の競争力を高めることができます。サステナブルな梱包の取り組みを率先して業務に取り入れることで顧客の心をつかみ、小規模なECブランドでも大企業に対して優位に立つことができるのです。

以下では、ECブランドがより社会的責任を果たすための他の事例を紹介します。

ファッションECの社会的責任

慈善事業への支援や寄付も、ECベンチャーで実施すべき社会的責任のある取り組みのひとつですが、多くのオンライン小売業者は、業界全体をより倫理的にすることを意図してビジネス運営方法自体を完全に変えてきています。

衣料品やファッションの小売業もそのひとつです。

何百年もの間、ファッション業界は非常に非倫理的な慣行を採用してきました。実際この業界では奴隷労働が大きな問題となっており、特にファストファッションの一部ではその傾向が顕著でした。

その結果、今日の多くの買い物客は倫理的に衣服を生産して労働者に生活賃金を支払っているブランドを支持しています。英国を拠点とするアパレルメーカーBodenはこの点で顧客の期待に応え、期待以上の活動を行っています。

同社はエシカルファッションをブランドの柱とし、業界を悩ませている現代の奴隷制度や危険な労働環境の廃止に取り組んでいます。そして安全な労働環境を提供することを証明できるサプライヤーとのみ取引を行っています。

またBodenはリサイクル可能な梱包素材で商品を発送し、サステナブルな取り組みや税金対策についてもウェブサイトで徹底して伝えています。

ECにおける社会的責任を果たすジュエリーブランド

Omi Woodsは、社会的責任を果たしているECのジュエリーブランドの優れた例です。同社はコンフリクトフリーつまり紛争鉱物不使用のジュエリーのみを仕入れ販売しています。つまり、素材は生産者に対して生活賃金を支払っている業者からしか調達していません。

同社のジュエリーはアフリカの伝統的なデザインからインスピレーションを得ており、上記のこだわりはブランドイメージとも一致します。

社会的責任のあるECへの投資は儲かるのか

慈善事業を支持することを含め、何かを得るためには失うものがあります。例えば、サステナブルなパッケージングに投資することはコストがかかります。また、労働者に生活賃金を支払うことは、倫理的な調達を行っていないブランドよりもビジネスの競争力が低下するリスクがあるように思われるかもしれません。しかしこの考え方は近視眼的です。

実際、こうした投資を行うことは長期的には価値があるという調査結果が出ています。例えば調査対象のECサイトでは、サステナブル商品の売上が4年以内に20%増加し収益につながることが実証されています。こうした新しい購買行動を後押ししているのはミレニアル世代とZ世代という若い世代です。

ECブランドにとってミレニアル世代の買い物客の感性に応えることは、長期的な収益性を高めるために有効なアイデアです。ミレニアル世代、特に女性は1700億ドルもの購買力を担っているのです。

HonestHello BelloのようなサステナブルなECブランドやファーマーズマーケットの台頭は、この消費者の期待の変化とそれを後押しする購買力の変化を示しています。人々は自分たちの食べ物を誰が育てているのか、そしてそれがどれだけ倫理的に調達されているのかを知りたがっているのです。

要するに、持続可能で社会的責任のあるビジネス手法に投資することは長期的には利益をもたらすということです。

このように消費者の期待が高まる中、いち早くこれらの取り組みを実践し先手を打ちましょう。そうでなければ、早くからサステナビリティの流行に乗った競合他社に追いつかれ後手に回ることになりかねません。

善行のマーケティング

自分の善行を売り込むのは自慢になるのではと心配になるかもしれませんが、そんなことはまったくありません。消費者は社会的責任のあるブランドを探し、自分たちが支払う企業が倫理的な実践と運営を行っているかを知りたがっているのです。ですから、あなたが恩返しのために何をしているのかを世界に知らせましょう。

その方法のひとつが、ウェブサイト上であなたの目的を前面に押し出すことです。トップページや会社概要のページであなたの実践を紹介しましょう。またウェブサイトのバナーも持続可能な活動を伝えるための良いマーケティング資産となります。

あなたのブログやソーシャルメディアプロフィール、プレスリリースで取り組みを表示するのも良いアイデアです。戦略的なプレスリリースは、あなたの信念と実践、そしてそれが顧客の価値観とどれだけ合致しているかを顧客層に啓蒙するのに役立ちます。

倫理的なEC業者としての評判の確立

ブランドの価値を反映する活動を選択した後は以下のものの実践によって善意を伝え、消費者の信頼を高め、社会的責任のあるブランドとしての評価を向上させることができます。

  • 社会的責任のマーケティングキャンペーンを実施する
  • 活動を支援し支持するために会社が取っている行動を伝える
  • 従業員や顧客を巻き込む
  • ソーシャルメディアを活用し、サステナブルプログラムに関する魅力的なストーリーズを共有する
  • 有償、無償を問わずさまざまなマーケティングチャネルで社会貢献キャンペーンを展開する
  • プレスリリースやニュースレター、Eメールによるブランドの認知度向上
  • 競合他社のキャンペーンとの違いを伝える

社会貢献活動のマーケティングは難しいものです。表現には効果的かつ巧妙なコミュニケーションと自慢話の間の微妙なバランスを取らなければなりません。

人目を引くPRバランスを実現する  

このバランスを見事に取っているブランドが、シューズブランドのBlu Kicksです。同社は当初ハワイの珊瑚礁の魚を保護するために設立され、年に一度、年間売上の何パーセントかを寄付するのではなく、靴が一足売れるごとに1ドルを寄付しています。

このように昔ながらのチャリティ活動をアレンジすることで、顧客はより身近に感じ、ミッションに個人的に関与していることを実感してもらうことができます。その結果、お客様は単に素晴らしい靴を支持するだけでなく、野生動物を保護するための持続的な努力の一端を担うことになるのです。

Blu Kicksは公開するすべてのコンテンツにそのミッションを盛り込み、ミッションを明確にすることで、お客様は単に買い物をするだけでなく、より大きな何かの一部となっていると感じてもらうことができます。

Lingbleでミッションを明確にする

表面的には、サステナビリティと顧客体験の間に大きな矛盾があるように見えるかもしれません。しかしこの問題を解決し、社会的責任を果たすというミッションをあなたのECブランドの基盤にするためには、信頼されることと明確なコミュニケーションをとることが必要です。

Lingbleでは、マーケティングの専門家がマーケティングサポート、オムニチャネルリーチ、および顧客満足度の向上を通じて持続可能なECブランドを構築します。詳細については、今すぐ私たちにご連絡ください