EC施策がうまくいかない10の理由

EC市場規模は現在4.9兆ドルであり、2024年には7.4兆ドルに達する見込みです。当然この巨大市場で利益を得ようと日々新たなECビジネスが芽吹いていますが成功を収めているのはごくわずかな数に過ぎません。ほとんどのビジネスがEC拡大に向けてしっかりとした計画を持っているものの、その計画が実を結ばない可能性も大いにあるのです。

EC施策が失敗してしまう主な理由、そしてその解決策を探ってみましょう。

EC施策が失敗する代表的な理由

堅固なEC施策があったとしても見落とされがちな側面があります。ECビジネスが成功しないもっとも代表的な理由を10個ご紹介します。

1. 市場に合っていない商品

マーケティングやEC施策に数か月もの時間を費やしても期待しているコンバージョンを獲得することができるとは限りません。その場合の主な原因として、ターゲット市場に合わない商品を販売していることが考えられます。

もし消費者が興味を持たない商品やサービスを提供していると深刻な状態に陥る恐れがあります。

人々がお金を払ってまでも欲しいと考えるかを確認するために商品やターゲット市場に関して幅広く調査を行い、準備を整えてからしっかりとしたEC施策を立てましょう。

2. 市場に馴染まない価格設定

競合他社はワンクリック先にいるのであなたのビジネスは常に売上を失う危険にさらされています。このとき、価格設定が消費者の判断において決定的な要因になります。顧客をあなたのウェブサイトに誘導できたとしても価格設定が適切でなければ売上につながらない可能性があります。

しっかりと時間をかけて市場調査を行ったうえで価格設定を考えることをお勧めします。まずは弊社のグローバル市場における競合分析の実施方法をご覧ください。

3. 不適切なウェブデザイン

オンライン顧客へ商品を販売するときは第一印象を良くすること、そして信頼感を与えることが非常に重要です。実店舗では実際に商品を手に取ることができますが、オンラインではそれができないので顧客の使い勝手に優れたウェブデザインが求められます。顧客が使いやすいウェブデザインであればブランドに対する信頼と信用を獲得できるのでウェブデザインへの投資は絶対に欠かすことができません。

デザインの悪いウェブサイトは雑な印象を与えてしまい、見込み顧客の足が遠のいてしまうかもしれません。顧客があなたのウェブサイトを開いた直後に離脱すると直帰率が上がり、SEOに悪い影響を与えてしまい、新たなリード獲得がさらに困難になってしまいます。

そうならないために、顧客に好印象を与えるウェブデザインを時間をかけて制作しましょう。

4.CTAの欠落

ウェブサイトへの誘導から商品の取引完了にいたるまで適切に配置されたCTAボタンで顧客を誘導する必要があります。CTAの配置に問題があると顧客はウェブサイトの移動に苦労するためカゴ落ち率や直帰率があまりにも高くなってしまいます。

顧客が正しい順序で購買プロセスを経て取引を完了させるためには適切なCTAが必要です。EC施策を成功に導くためにはウェブサイトでの丁寧なナビゲートが欠かせません。

5. 検索順位が低い

今日の消費者は特定の商品やサービスの購入に興味があるとき、まずはじめにインターネットで検索をします。検索結果表示ページ(SERP)の上位にあなたのウェブサイトが表示されていないと、顧客がGoogleの1ページ目に大量に表示されているページの中からあなたのページを見つける可能性はおそらく低いでしょう。

これはたとえEC施策のその他の部分をうまく行っていたとしても、ウェブサイトの存在を周知できていなければ誰もあなたのウェブサイトを訪れないということです。

ECショッピングに関する調査によると、SERPの1つ目のオーガニック検索結果のクリック率は39.6%と言われています。SEO対策によってSERPで上位に表示され、ウェブサイトへのトラフィックも増やすことができるでしょう。

6. 高品質なコンテンツの欠如

コンテンツがもっとも重要であることは皆さんご存じだと思います。ある調査によると、消費者は企業、そして企業が提供している商品やサービスを知るために商品の内容を細かく調べていると言われています。

最終的にコンテンツがウェブサイトのパフォーマンスや検索順位を決定します。広告やSNSで積極的にウェブサイトを宣伝したとしてもウェブサイトに力強いコンテンツがなければ顧客は離脱してしまうでしょう。

良質なコンテンツは消費者の購買意欲を高める以上の価値を消費者に提供します。優れたコンテンツがあることで消費者は競合よりあなたの商品を選ぶようになるのです。

7. 高額な送料

オンラインでの商品販売において物流は大きな課題ですが、その中でももっとも顕著な問題は配送です。カゴ落ちのほとんどの原因は高額な送料によるものです。客観的に見て、50ドルのTシャツを買う人が送料に30ドルも支払いたいとは思わないでしょう。Tシャツに対して50ドルという価格は妥当かもしれませんが、送料によってその金額は跳ね上がり、消費者は手を引かざるを得なくなるのです。

多くのブランドは一定額以上の購入に対して送料無料を提供することで、注文数の増加と顧客の購買意欲の向上につなげています。より多くの売上を達成するために送料の改善に努めましょう。

8. プロモーション不足

緊迫感は適切に使えばプロモーションに活用することができます。プロモーションや限定オファーを提供していないと顧客があなたのウェブサイトに押し寄せることは期待できないでしょう。

EC施策が採用している戦略のなかでもっとも成功している戦略の1つは年間を通したセールの実施です。商品価格を15%上げてその後15%割引することでいつでもウェブサイト上でプロモーションを展開することができます。さらにカウントダウンの表示やタイマーの設置で緊迫感をアピールすることができます。

堅固なマーケティング計画やEC施策があることは常に重要ですが、それに加えウェブサイト上で消費者に購入を促し、売上を押し上げるものが必要になります。

BigCommerceが実施した広範囲にわたる調査によると、プロモーションを適切に実施するとコンバージョン率を約400%向上させることができると言われています。プロモーションのおかげで自然と売上は増えますし、なぜブランドが毎年ブラックフライデーやサイバーマンデーのプロモーションに沢山の労力を割くかが分かると思います。

9. 低品質の商品写真

オンラインでの販売において商品の写真はとても重要です。商品の写真やデザインにより、顧客に商品を購入してもらえるかどうかが変わってきます。顧客は商品を実際に手に取って確認することができないため、オンラインではあらゆる角度から商品が見えるようにする必要があります。そして商品ページの写真の数が少ない、もしくは写真の品質が悪いと顧客は購入を決めきれずウェブサイトから離脱してしまうでしょう。

プロに複数の角度からの商品写真を撮影してもらい、顧客の商品への理解が深まるようにしましょう。

10. バリュープロポジションの不足

消費者があなたから商品を購入するにあたって十分な理由がないといけません。魅力的なバリュープロポジションの不足が売上低下につながります。

あなたと同じ商品を販売しているブランドが何百とある中で、顧客が他社ではなくあなたのブランドを選ぶためにはそれなりの理由が必要です。

コンテンツで勝負する企業もあればプロモーションを活用する企業もありますが、いずれにせよ他社との差別化が必要になります。

EC施策、戦略、マーケティングの最終的なゴールは顧客に商品を購入してもらうことです。顧客があなたのウェブサイトを訪れたときに、他社よりもあなたの商品を選んでくれるような仕組みが求められます。

まとめ

私たちが今デジタル販売やオンライン店舗が市場を支配し始めている時代を生きています。多くのブランドがオンラインに進出しようとしていますが、EC施策を展開するときは基本をすべて抑えておく必要があります。顧客をオンラインストアに誘導する強力なEC戦略があったとしても、それだけで成功につながるとは限りません。

毎週何千人もの訪問者がいたとしても売上に反映されないこともありますがこれは注意が必要です。マーケティング費用の増加や施策の改善はいつでも可能ですが、顧客がウェブサイト訪問後にすぐ離脱する場合は何かが根本的に間違っているからです。

あなたのウェブサイトとビジネスのプロセスのあらゆる側面を観察し、すべてが適切な状態かを確認しましょう。分析ツールを導入してデータの収集や、顧客の正確な離脱ポイントを把握することもできます。

ウェブサイトへの訪問者を適切な方法で待遇し、優れた顧客体験を提供することが何よりも大切であり、結果的に売上も伴ってきます。

高いROI(投資収益率)を得られるEC施策をご検討中の場合はぜひとも弊社までご連絡ください。