実店舗からECへのシームレスな移行を実現する方法

多くの人々は、パンデミックの収束に伴い実店舗はすぐに回復すると考えていました。しかし現在も、たくさんの人が期待していたほどには戻っていません。その代わりにECが活況を呈しており、起業家にとっては従来の小売業と比較して大きなビジネスチャンスの宝庫となっています。

実店舗からECへの移行を考えているなら、今がその時です。こちらの記事では、収益性の高いオンラインショッピングの世界へスムーズに移行するためのヒントをご紹介します。

オンラインで販売できるところは?

実店舗からECへ移行するにあたり、新しいオンラインストアをホスティングする最適な場所はどこでしょうか。幸いなことにいくつかの選択肢があります。

あなたのブランドや目標に応じて以下の4つの場所のいずれかが、あなたと顧客にとって最も理にかなっているはずです。

#1. オンラインストアをゼロから構築する

オンラインストアを最大限にコントロールしたいのであれば、ゼロから構築し自分でホスティングするのが一番です。

ウェブサイト名、別名ドメインを選び、あなた自身のウェブサイトホスティングを取得します。その後ウェブサイトのレイアウトを設計し必要なコンテンツで埋める必要がありますが、自分でサイトを構築しホスティングすることの最も良い点は、必要に応じて自由にバックエンドの機能を変更できるということです。

#2. ホスティングプラットフォーム

ホスティングされたECプラットフォームは、サイト作成のほとんどがすでに行われている点で専用のECサイトとは異なります。基本的にホストティングされたECプラットフォームは、あなたが必要とするすべての機能を提供するSaaS製品ですが、サイト設計の細かい点まではコントロールすることはできないため完全に自由というわけではありません。

例えばShopifyは、今日の市場で最も人気のあるECストアのホスティングプラットフォームの1つです。あらかじめ用意されたオプションの中から、あなたのストアフロントを素早く作成することができます。ホスティングサイトとセルフホスティングサイトの違いに一番気が付くのはあなたで、ほとんどの顧客には分からないでしょう。2つとも同じ機能を提供するものですが、ホスティングプラットフォームは機能性をコントロールしたり、高度にカスタマイズされたテーマをデザインしたりすることはできません。

ホスティングサイトは、一見すると安価に見えるかもしれません。しかしセルフホスティングサイトよりも安価で運用できる反面、長期的に見ると月額費用がセルフホスティングサイトの基本費用を上回ることになります。

#3. ECマーケットプレイス

eBayやAmazon、Etsyなどのマーケットプレイスサイトも選択肢のひとつです。これらはオンラインのフリーマーケットだと考えてください。オンライン上のブースを借りて商品を販売するのです。

これらのマーケットプレイスサイトはShopifyのようなホストティングECプラットフォームと似ていますが、カスタマイズのためのオプションははるかに少ないです。自分のストアを完全にカスタマイズしブランディングすることはできません。また、実際に自分の店を所有するのはあなたではなくマーケットプレイスが所有します。これらのサイトのほとんどは商品の掲載料を請求するか、各販売の一部を徴収します。  

ECベンチャーがマーケットプレイスサイトを利用する最も大きなメリットは、すでにサイトを利用しているオーディエンスを得られるということです。例えば、Amazonの月間ユニーク訪問者数は平均5900万人、eBayは2700万人も居ます。

しかし、あなたのリストは競合他社の隣に表示されるため、目立つように魅力的な商品リストを作成する必要があります。マーケットプレイスサイトで上手くいくための最良の方法は、独自のドメインと(ホスティングまたはセルフホスティングのいずれであっても)専用のオンラインストアも持つことです。

#4. ソーシャルメディアプラットフォーム

米国の成人の5人に4人はソーシャルメディアを利用しており、少なくとも1つのプラットフォームを利用しています。そのため、ECブランドにとってこれらの人々の前に貴社の商品を出すことは良いアイデアです。

しかし、Facebookのような場所で販売するためのオプションは限られており、それはどのプラットフォームを使用しているかによっても異なります。そこで、ターゲットとするユーザーがどのソーシャルメディアにいる可能性が高いかをリサーチしておくとよいでしょう。

実店舗からECへの移行における7つのヒント

実店舗をECに移行するのは簡単なことではありません。目標に応じて実店舗の体制を維持することも、完全にオンラインショッピングに移行することもできます。この選択は全体的なビジネスプランと、顧客へのアプローチ方法に影響を与えます。

オンラインショッピングへとシームレスに移行し、既存の顧客を維持しながら新しい顧客を獲得する方法を探ってみましょう。

#1. 顧客が何を求めているかを評価する

経営者としての目標は顧客があなたのブランドに求めているものと必ずしも一致しているわけではありません。ビジネスは顧客基盤が受け入れない限り成功しません。そのため、顧客がオンラインショッピングに何を求めているかを把握し、それを提供する必要があります。

最近の顧客調査で、今日の消費者は健康や安全、利便性を重視していることがわかっています。そのため、競争力を維持するためには、カーブサイドピックアップ(オンライン上で注文した商品を店舗の駐車場で受け取ることができるというサービス)や非接触ピックアップ、非接触デリバリーを提供することが望まれます。非接触型は買い物客の安全を考慮し、また買い物客にとっても便利なものです。

#2. ECへの移行に向けたビジネスプランの作成

このヒントは、上記のヒントと密接に関連しています。現在のビジネスプランを見直すとき、あるいは新しいビジネスプランを作成するときはいつでも、顧客の願望と期待が中心にあるべきです。

当初のビジネスプランの目標がECへの移行に適しているか、また、その移行がブランド価値を維持するのに役立つかどうかを確認します。ターゲットとするバイヤーペルソナを再評価し、移行後のターゲットオーディエンスを決定するのに役立てます。

もうひとつ重要なのは、オンラインショップに移行することでターゲットとなる顧客の要求や期待がどのように変化するかということです。例えば、所在地や購買習慣が変わるかもしれません。その場合、ショッピング機能のついた投稿であるショッパブルポストや、ユーザーが希望する時間と場所で荷物を受け取れるオンデマンド配送、地方や全国への配送など、異なる流通チャネルを追加する必要があります。

#3. 商品ラインナップの見直し

実店舗からECへ移行する際には商品ラインナップを見直し、戦略を練る必要があります。これまで提供してきた商品が、EC部門で販売し続ける意味があまりない場合もあります。例えば、実店舗で販売している商品をすべてオンラインでも注文できるようにすると、発送やロジスティクスの問題が発生する可能性があります。

そこで、自社の販売データを深く掘り下げてみましょう。過去に売れた商品と、現在売れ筋の商品を比較検討するのです。販売データは、戦略を立て在庫を最適化するための貴重なヒントを与えてくれるでしょう。

もう一つ重要なことは、品揃えを変えたり拡大したりすることがお店にとってプラスになる可能性があるということです。例えば、地元で人気のレストランが、家庭での調理を支援するミールキットの販売に軸足を移しています。このような転換は、消費者心理が変化したときに実店舗の競争力を高めるのに役立ちます。

#4. ウェブサイトの更新

アフターコロナの世界では、オンラインでのブランドとのやりとりはパンデミック前と比べて2倍重要視されています。このことは新興のECベンチャー企業にとって、ウェブサイトのユーザー体験に真剣に向き合い、考慮する必要があることを意味します。

一言で言えばウェブサイトは、完璧に機能しホームページから購入ボタンに至るまでシームレスなバイヤージャーニーを提供する必要があります。今日の消費者は、一流の安全なウェブサイトを期待しています。そしてウェブサイトがモバイルデバイスで素早く読み込まれなかったり、シームレスに表示されなかったりすると彼らは立ち去ってしまうのです。

ポイント:

  • ECストアに適したプラットフォームを選択したことを確認する
  • SEOのベストプラクティスを取り入れ、オンライン検索で簡単にあなたのサイトを見つけることができるようにする
  • 素早く簡単で直感的に分かりやすいナビゲーションを実現する
  • ページの読み込み時間の問題を解決する
  • モバイルに対応したサイト設計
  • チェックアウトのプロセスを迅速かつ安全にする

ECサイトのデザインでもうひとつ重要なのは、明確でしっかりとした商品説明です。結局のところ、ECサイトでは実際に商品を手に取って見ることができないのです。

優れた説明文と、商品をあらゆる角度から見せ、サイズや縮尺を示す多くの画像は不可欠です。また、ハウツー動画は興味を引きつけ、商品がどのように機能するかを実際に見せるのに最適です。

商品説明ページにレビューを目立つように表示することで、より健全なコンバージョン率を実現します。

#5. マーケティングプランの見直し

実店舗からECビジネスに移行した場合、デジタルマーケティングは成功のためにさらに重要になります。しかしその前に、ターゲットユーザーをオンラインストアに引き込むための最適なチャネルをリサーチする必要があります。

長年、人々はインターネットを使って商品を調べてきましたが、さらにパンデミックにより世界的にデジタルファーストへの移行が進んでいます。主に人々はYouTubeを使って、出会った新商品をチェックしたり、新しい商品を調べたりしています。

ソーシャルメディアやEメールのマーケティング手法についてはすでによくご存知かもしれません。しかしECに移行した場合、デジタルマーケティングのチャネルはオンライン事業者としての最終的な成功にとってさらに重要になります。

以下では、デジタルファーストのマーケティングに切り替えて成功した従来型の小売店の事例を紹介します。

  • ワイナリーがソーシャルメディアのライブストリーミングやZoomでバーチャルテイスティングを提供
  • 美容ブランドが動画マーケティングでメイクアップとヘアアレンジのチュートリアルを活用
  • パーソナルトレーナーによるオンライン講座の作成と販売
  • オンライン料理教室を開催している飲食店

要するに、VIP顧客と直接関係を築く機会はありません。その代わり、デジタルマーケティングチャネルを通じて行う必要があるのです。

まとめ

どの方法を選択したとしても決して気まぐれにECストアを作って終わりというわけではなく、戦略的に取り組む必要があります。

従来の小売業からECへの移行を図るには、多くの検討と調査が必要です。そこで私たちがお手伝いします。 Lingbleでは、EC事業者に最適なプラットフォームやチャネルの調査や、マーケティング方法に精通した専門家がサポートします。また、ロジスティックスと流通に関してもお任せください。

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