ビッグチャンス:アジア太平洋地域の主要セールイベントで戦う方法
2019年、ブラックフライデーとサイバーマンデー期間中にECで取引された商品の数は29億個を超えました。特にブラックフライデーという賑やかなセール祭では、1分ごとにオンラインで約100万ドルの売上が発生しました。
このように目がくらむような数字を見たオンラインの小売業者は、さらに規模の大きいショッピングイベントを探し求めています。もしあなたがいち早く素晴らしい数字を達成し、新たな市場への進出を求めているのであれば、東南アジアとアジア太平洋地域の大規模なセールイベントに着目してみてください。
今回のブログでは、アジア太平洋地域の大規模なキャンペーン(11月11日と12月12日)に注力すべき理由とそこでの競争に勝ち抜く方法をご説明します。
アジア太平洋地域のセールイベント:411
アジア太平洋地域(APAC)とは西太平洋付近に存在する国々を指します。この地域には独自の特別なショッピングイベントがあり、EC業者にとっては売上を増やす貴重なチャンスです。
実店舗しかないブランドと比べて、ECブランドの利用者は特定の地域に限定されることはなく、世界中の消費者にリーチすることができるためECブランドは恵まれています。入念な調査と計画をすることで一年中いつでも、そして世界のどこででもセールイベントで利益を上げることができます。
今回のブログでは、間近に迫っているアジア太平洋地域の巨大イベント(11月11日と12月12日)を主にご紹介します。
11月11日に開催されるアジア太平洋地域の巨大イベント
11月11日は独身の日とも呼ばれ、東南アジアではもっとも重要なセール期間です。
このセールはアリババが設立した淘宝のプロモーションを目的として2019年に開催されました。独身の日の売上はわずか6年でおよそ140億ドルに達しました。
2015年には、独身の日の売上が1社によるオンライン売上の世界記録を塗り替えました。
12月12日に開催されるアジア太平洋地域の巨大イベント
12月12日はアジア太平洋地域の国の中でメジャーなセール期間になりつつあります。
Alipayは11月11日のセールで利益を上げられなかった中小企業が売上を伸ばすことを目的として12月12日のセールを推し進めています。
通常、大企業は11月11日のセールで最大規模の売上を獲得しますが、小規模のブランドにとっては12月12日のほうがビジネスチャンスがあります。また、12月12日は新規参入ビジネスや小企業にとってはハンディのない公平な競争の場でもあります。
アジア太平洋地域の巨大セールイベント参加にむけて展開すべき重要な戦略
これらのセールイベントはわずか1日で終了しますが、このビジネスチャンスを最大限活用し、売上を増大させるためには数週間前からしっかりとした準備が必要です。
11月11日と12月12日のセールイベントに参加するのであれば、以下の戦略を取り入れることをおすすめします。
戦略#1:在庫管理
新型コロナウイルスの大流行により、小売業者の多くが需要の減少を経験しました。もしあなたのブランドも同じであれば、おそらく不要な在庫を抱えてしまっていることでしょう。
まずは、目標を低く設定しましょう。在庫がほこりまみれになり、倉庫の中で積み重なってしまう代わりに11月11日と12月12日のセールイベントを活用して在庫を一掃しましょう。
売れ行きの悪い商品の在庫を見つけ、タイムセールや割引用に保管しておきます。セール期間中の消費者は大幅な値引きを求めているため、70%オフや80%オフといった割引率でも消費者を驚かせることはできません。
また、11月11日と12月12日のセールで売れ残りの在庫を一掃することでオンラインストアへの訪問者数を増やすこともできます。
自社のオンラインストアであれば地の利があり、関連商品提案機能を使って消費者に別の商品の閲覧や購入を促し、アップセルを簡単に実施できます。
オンラインストアの訪問者のメールアドレスを獲得し、セール終了後しばらく経ってから連絡し、商品の販売につなげましょう。メールアドレスを提供してもらったら、お返しに送料無料や割引コードを送りましょう。
専門家からのアドバイス:
12月12日はホリデーシーズンやクリスマスに向けた中心的なイベントです。まずは、顧客ターゲットがクリスマスに買いたい商品について考えてみます。次に、11月11日と12月12日のセール用にそれぞれ商品を準備しておきます。
大幅値引きがふさわしくないブランドの場合
大衆向けブランドは大幅値引きや特価品を展開することができます。では、高級ブランドの場合はどうしたらいいでしょうか?セールでの大幅値引きによってブランドの評判を傷つけてしまうかもしれません。
でもご安心ください。高級ブランドであっても11月11日と12月12日のセールで勝負することができます。
以下の方法を取り入れれば顧客価値を高め、ブランドの評判を守りつつ売上を増やすことができます。
- バンドル販売
- 商品購入時にギフトをプレゼント
データを活用した在庫管理
ツールを使用して市場勢力図を作成し、最大の競争相手のSKUをベンチマークに設定します。具体的な数字を把握しておくことで、セールが始まるずっと前にプロモーションや価格戦略を決めることができます。
SKUと価格戦略が決まったら、予測される需要に見合った在庫の量を決めます。次に、過去の売上データを調べます。もし過去のデータがなければ、オフラインでの売上データなどを代理で使用します。
少なくとも需要の予測は立てておき、セール開始の2週間前には商品の準備をしておきましょう。
戦略#2:既存顧客をセールイベントに引き込む
新規顧客よりも既存顧客へ販売するほうがコストはかかりません。目標は低く設定することを強くおすすめします。
11月11日と12月12日のセールが始まる数週間前から既存顧客基盤に対してアプローチしましょう。
既存顧客はあなたのブランドのことを知っていて、好きであり、そして商品を信頼しています。そのような顧客に対してセールイベント告知のメールを送りましょう。
まずは以下の方法をおすすめします。
- セールイベントについて、そしてなぜイベントをカレンダーに登録すべきかを顧客に知らせる。
- セールイベントと値引きが始まる日付と時刻を案内する。
- セールイベントの数週間前にメールを送り、当日は午前0時直前にリマインダーを送る。
専門家からのアドバイス:
メールマガジンの購読者には限定の割引コードも提供しましょう。また、ソーシャルメディアでイベントの情報を展開することでより多くのメールマガジンの購読者を増やすことができます。
戦略#3:クラウドコントロール(多数の顧客のコントロール)
もしうまくいけば、セール開始前から終了後までの間にウェブサイトのトラフィックが急増します。予算に余裕があれば、外部のサービスを利用してもいいでしょう。
- セールイベント用のライブチャットへの投資
- ソーシャルメディアでユーザーからの質問に回答する人の雇用
- 特定の商品のプロモーションをするためにウェブサイトを更新する人の雇用
ウェブサイトへの訪問者が、待ち望んでいた商品がもうすぐ在庫切れになると知った場合、その希少性が売上に繋がる大きなきっかけになります。割引が終わるまでの時間を表示するカウントダウンタイマーの追加や残りの在庫の数を商品詳細ページに表示させることを検討してみてください。
セールイベントを盛り上げようと最大限努力したとしても訪問者のすべてがコンバージョンにつながるわけではありません。しかしその場合でも失敗から学び、成功につなげましょう。
専門家からのアドバイス:
ウェブサイトへの初めての訪問者にはメールアドレスの提供と引き換えに割引コードを渡しましょう。効果的にメールマーケティングを活用することで、何気なくウェブサイトを訪れたユーザーを顧客に変える確率が上がります。
戦略#4:決済方法を増やす
決済方法を増やすことで、実際にお金を落としてくれるユーザーの数を増やすことができます。アジア太平洋地域の消費者の中ではオンラインショッピングは爆発的に広まっていますが、多くの人がクレジットカードや銀行口座などを所有していません。
可能であれば決済方法を増やすことをおすすめします。仮にPayPalかクレジットカードしか受け付けてない場合、購買意欲の高いアジア太平洋地域の消費者の大部分を失ってしまうかもしれません。
代金引換も検討してみましょう。最近の調査結果によると、オンライン取引における代金引換の割合は以下のようになっています。
- 47%(フィリピン)
- 42%(ベトナム)
- 20%(インドネシア)
また、DHLなど多くの国際宅配便業者が海外代金引換サービスを提供しています。アジア太平洋地域の大きなセールイベントに参入しようとしているECビジネスにとっては喜ばしいニュースです。
戦略#5:リターゲティング
11月11日と12月12日はウェブサイトへの訪問者が大幅に増えるため、商品購入後に表示する広告やリターゲティング広告で既存のオーディエンスを獲得しましょう。
リターゲティング広告は、あなたのサイトで何かしらのアクションを起こしたものの商品購入には至らなかった人に使用します。たとえば、商品を閲覧しただけの人や商品をカートに追加した後にカゴ落ちした場合などです。リターゲティング広告により、購入を促したり、放置されているカートに注意を向けてもらったりすることができます。
リターゲティング広告はまた、既存顧客や11月11日と12月12日のセールでの初回購入客にも使用できます。リターゲティング広告はサプリメントや美容グッズなどリピート購入を目的とした商品を販売するブランドにとって非常に素晴らしいマーケティング戦略です。
アジア太平洋地域の巨大セールイベント:まとめ
ブラックフライデーやプライムデーなどの大規模なセールイベントから分かるように、これらのイベントは莫大な売り上げにつながり、ECブランドにとって新規顧客を獲得するチャンスになっています。
できるだけ多くのビジネスチャンスを見つけましょう。アジア太平洋地域のように急成長している市場でのセールイベントを開拓し、売上を大幅に増やし、ターゲティング戦略とメールマーケティングでリピート購入を促しましょう。
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